雪国の家の冬支度チェックリスト——北陸在住者が毎年10月にやっていること、やっていないこと

はじめに(結論から)

雪国の冬支度は、細かく項目を数えれば20個以上ありますが、順番を間違えなければ別に大変でも怖くもありません。結論から言うと、優先順位は「凍って壊れる物→動けなくなる物→快適さ」の順です。

  1. 水まわり(凍結すると破裂して修理が大変)
  2. 車(大雪が降ると通勤できなくなる)
  3. 家の外まわり(雪の重みと凍結でじわじわ傷む)
  4. 暖房と燃料(止まると生活の質が即死する)

この記事は、北陸の戸建てに住む私が毎年実際にやっている冬支度を、この順番で書き出したものです。あわせて、「やるべきとされているが、うちはやっていないこと」も正直に書きます。

別に全部やるのが正解ではなく、自分の家の条件に合わせて取捨選択するのが正解だからです。

【家長メモ】
我が家は築6年。コロナ禍で打ち合わせもしにくい中で建てた戸建てです。家の横にはカーポート。家の前は比較的交通量の多い道路なので融雪装置がついています。

1. 水まわり——凍結対策は「破裂の予防」

雪国の冬の出費で一番馬鹿らしいのは、水道管の破裂修理です。凍結対策の実務は3つだけ。

  • 屋外の立ち上がり配管・散水栓に保温材を巻く(ホームセンターの保温チューブで十分。巻くなら11月前半までに)
  • 給湯器の配管の保温材の劣化チェック(給湯器本体には凍結防止ヒーターが内蔵されているが、配管の保温材がボロボロだと意味がない。ここが一番の盲点)
  • 最強寒波の予報が出た夜だけ、蛇口から糸状に水を出しておく(全期間やる必要はない。水道代と相談)

長期間家を空けるときの水抜きは、水抜き栓の位置を冬前に一度確認しておくこと。凍ってから探すことになるのが最悪のパターンです。

【家長メモ】
これは今の家に住む前、妻と結婚して最初に住んだ家での話なのですが、いざ入居となった日に大寒波が来てしまい水回りが凍って全く使えず、新生活のスタートがちょっと遅れるというハプニングがありました。
それ以来我が家では、冬の前には外の水洗周りにはタオルを巻き、凍らないようにしています。

2. 車——タイヤ交換の判断基準を「日付」で持つ

北陸の車の冬支度は、タイヤに始まりタイヤに終わります。

  • スタッドレス交換の判断基準を決めておく。私はだいたい勤労感謝の日が近づいてきたら「そろそろタイヤ交換やな」と思うようにしています。「初雪が降ってから」は最悪の判断で、その日は交換待ちの行列に並ぶことになります。
  • ウォッシャー液を寒冷地用(希釈しない)に入れ替える。夏の水割りのままだと噴射口ごと凍ります(やらなくて忘れる年もありますが)
  • 車載セット:スノーブラシ、解氷スプレー、折りたたみスコップ、毛布。備蓄の記事で書いた「ガソリン半分ルール」は冬こそ本番です
  • スタッドレスの溝と製造年の確認。プラットホーム(溝の50%摩耗サイン)が出ていたら、そのタイヤの冬は終わり。ちょっと出費ですが交換しましょう。

【家長メモ】
正直タイヤ交換は毎年店に頼んでます。義実家のお父さんは自分で換えてるみたいですが、私はだいたい11月の中旬、遅くとも勤労感謝の日の前には換えるようにしています。

3. 家の外まわり——雪の重みと「凍害」

ここは私のもう一つの専門領域と重なる話です。外壁や基礎の劣化は、実は夏より冬に進みます。「凍害」——外壁や基礎に染み込んだ水分が凍って膨張し、内側から素材を壊していく現象です。冬支度としてやるべきは、水の染み込み口を冬が来る前に塞ぐこと。

  • 外壁のひび割れ・コーキングの切れを目視点検(特に北面。染みた水が凍結と融解を繰り返して塗膜を剥がす)
  • 雨どいの詰まり掃除(落ち葉が詰まったまま凍ると、雪解け水が溢れて外壁を直撃する)
  • カーポートの耐雪荷重の確認。自分のカーポートが「耐雪○cm」仕様かを把握しているか。知らないなら型番で調べる。雪下ろしの判断は積雪量ではなくこの数字との差分で決める
  • 雪囲い:ウチはやっていません。雪囲いが必要なほど大きな樹木が庭にないからです。
  • 灯油タンク・エアコン室外機まわりの雪の吹き溜まり対策(室外機が雪に埋まると暖房効率が急落する。防雪フードや台上げは効果あり)

【家長メモ】
数年前の冬のこと、エコキュート(電気給湯器)の室外機に雪の塊が入り込んだことで、給湯機能が停止してしまいました。室外機の中の雪塊はすぐ除去できたんですが、エコキュートのシステムをいったんリセットするのに四苦八苦でした。室外機に雪が入らないような覆いを今後設置予定です。

4. 暖房と燃料——「止まった日」を想定して量を決める

  • 灯油の初回配達・購入を10月中に(寒波が来てからだと配達が混むし、価格も高い)
  • 暖房器具の試運転を「必要になる前」に(ファンヒーターの初回点火の埃臭さ・エラーは、早いうちに発見したいところ)
  • カセットガス・カイロの在庫確認。冬支度は防災備蓄の点検と兼ねるのが効率的です(備蓄の記事の正月点検と半年でちょうど対になります)

うちが「やっていないこと」

チェックリスト記事はたいてい全部やれと書きますが、正直に書きます。

  • 実際にやってないのは、給湯器の配管の保温材の劣化チェック、ウォッシャー液の寒冷地用入替え、雪囲い、灯油の購入、暖房器具の試運転
  • やらない理由としては、ウチはまだ建ててから6年ほどなので、まだ配管の保冷剤が痛むのは早く、またウォッシャー液については、そこまでやらなくても大丈夫かなと思っています。また、雪囲いは先ほども書いた通りで、家に囲うほど大きな木がないです。そしてウチはそもそもオール電化なので、灯油を買っていません。ファンヒータをお持ちの家では当然必要だと思います。

やらないことを決めるのも冬支度です。全部やろうとして11月に息切れするより、自分の家の弱点2〜3箇所に集中するほうが、結果として家は守れます。

10月の週末2回でやる、実際の段取り

  • 10月・1回目の週末:外まわり点検(外壁・雨どい・カーポート)、灯油の注文、暖房試運転
  • 10月・2回目の週末:水まわりの保温材、車載セットの積み込み、タイヤ交換の予約
  • 11月:タイヤ交換の実行、最終見回り
  • 最強寒波の予報が出たら:蛇口の糸水、室外機まわりの除雪、備蓄の最終確認

まとめ

  • 順番は「凍って壊れる物→動けなくなる物→外まわり→燃料」
  • 水道は保温材と水抜き栓の位置確認。破裂してからでは10倍高い
  • タイヤ交換は「日付」か「予報」で機械的に判断する。初雪当日は最悪
  • 外壁のひびと雨どいの詰まりは、冬の凍害の入口。塞ぐのは冬が来る前
  • やらないことを決めるのも冬支度のうち

今年の冬の記録(毎年追記)

  • (初年度のためまだ記録なし。この欄は今冬から埋まっていきます)

よくある質問

Q. 水道の凍結対策はいつから必要ですか?
A. 保温材などの準備は11月前半まで。実際に凍結リスクが高いのは、外気温がおおむね氷点下4度を下回る夜です。毎晩の対策は不要で、強い寒波の予報が出た夜だけで足ります。

Q. カーポートの雪下ろしは何cm積もったらすべきですか?
A. 一律の答えはなく、自分のカーポートの耐雪仕様(30cm・50cm・100cm等)によります。まず型番で仕様を確認し、湿った重い雪は同じ高さでも荷重が大きいことを踏まえて、仕様の半分を目安に動くのが安全側です。

Q. 賃貸でもやるべきことはありますか?
A. あります。車関係(タイヤ・ウォッシャー液・車載セット)は持ち家と同じ。加えて、給湯器の凍結防止運転の仕組みと水抜き方法だけは、入居時の説明書か管理会社に確認しておくと安心です。設備の破損は借主の管理義務を問われる場合があります。

令和の家長

宅地建物取引士 / 富山県在住 / 町内会班長 経験あり

富山で家を持ち、子を育て、班長も回ってきた宅建士。誰も教えてくれないのに、やらなければならない家の実務を、自分で調べて失敗した順に書いています。

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